長野県富士見町 防災行政無線放送をスマホへ自動転送開始
富士見町は、防災行政無線やJアラートの音声放送を住民のスマートフォンへ瞬時に自動転送放送する広域防災Web放送システム「モバイル放送コミュニケーションネットワーク」を2019年3月に導入、4月より順次運用を開始
富士見町は、防災行政無線やJアラートの音声放送を住民のスマートフォンへ瞬時に自動転送放送する広域防災Web放送システム「モバイル放送コミュニケーションネットワーク」を2019年3月に導入、4月より順次運用を開始する。
町では従来、緊急情報の伝達は防災行政無線と希望世帯に設置した受信器による有線告知放送が主だが、昨年9月の台風では停電が相次ぎ、受信器が使えなくなった世帯があった。また、防災行政無線の屋外スピーカーから発する音声は屋内では聞き取り難く、特に窓を閉め切った冬場には情報が伝わらないなど、情報伝達に苦慮したことを教訓に今回のシステム導入に至った。
町ではこれまで登録制防災メールも活用しているが、今回導入のシステムは緊急時の第一声となる防災行政無線と同時放送できるのが利点と評価。情報伝達手段を多重化することで全住民が確実に情報を受けられるようにしたいとしている。
「モバイル放送コミュニケーションネットワーク」は、SKY-NETWORK社(静岡市)が提供する広域防災Web放送システムで、従来のポータル型防災アプリと異なり、情報発信者の『危機感、切迫感、感情までも情報として伝わる』新たな情報伝達手段。
同システムは、防災行政無線放送の自動転送放送のほかに、手動による随時放送機能を併せ持ち、文字情報では出来ない「声の強弱、反復、強調」など音声放送ならではの話術で、避難勧告や避難指示をリアルタイムに効果的かつ確実に住民の耳元に届けることができる。
先の西日本豪雨災害では、自治体が住民に避難を呼び掛けたにもかかわらず、「自分はだいじょうぶ」だと情報を過小評価してしまう正常性バイアスが働いたことで、避難行動に移す住民が少なく、多数の死者や安否不明者が出たとされている。
同システムは災害時の刻々と変わる状況を、住民に危機感を持てるよう切迫したメッセージをタイムリーに伝えられることから、防災・減災に飛躍的な効果が期待される。
「モバイル放送コミュニケーションネットワーク」の特徴:
■情報伝達
○パソコンに防災行政無線端末とインターネットを接続するだけで
放送環境が整う簡単導入。
特に、被災でパソコンが破損しても、業者を呼ぶことなく代替え
機で素早く簡単に復旧が可能。
○防災行政無線放送やJアラートを住民のスマホへリアルタイムに
自動転送放送。
○パソコンや職員のスマホから音声放送や文字放送をライブで一斉
放送。
特に、ブラックアウト等で庁舎内の情報伝達手段が全て機能不全
になっても、職員のスマホから放送継続が可能。
○防災行政無線と異なり、音の反響や共鳴で音声が重なるエコー現
象を意識することなく、通常の会話スピードで放送が可能。
○平常時には、コミュニティ放送メディアとしても利活用が可能。
■情報収集
○災害時には住民からのSOS投稿を町が集中管理、職員のスマホ
でリアルタイムに投稿内容を確認でき、早期初動対応が図れる。
(情報が外部に流出しない閉域網SNS)
○災害時に大量殺到する住民からの電話問い合わせ対応と、それに
伴う組織間での情報伝達の混乱を大幅に解消。
■低廉化
○町は専用の受信機を全戸配布することなく、視聴率を大幅に向上
でき、しかも、大幅な投資の削減が図れる。
○住民は自治体固有の専用アプリをダウンロード(無料)するだけ、
面倒な設定なしで放送視聴が可能。
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